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「人の重みは財布の重み」  

前回の続き。

家なし、カネなしの日雇い生活を1か月間行ない、その生活、心境、体調を綴ったルポルタージュを紹介する。
この本も先日読了したばかりである。

増田明利 今日から日雇い労働者になった。 彩図社 2014年

今日から日雇い労働者

本書は2010年に同じく彩図社から発行された単行本を文庫化したものである。
著者はルポライターとして活動しながら現在は不動産会社に勤務している。

巻頭の編集部注には「日雇い」という環境で仕事をした場合の心身の変化を克明にレポートする意図でこの本は作られている、とある。
著者はこの生活を続けていくうちに精神的、肉体的に追い込まれたらしい。
「時折言葉づかいが荒くなったり皮肉な説教が混じるがあえてそのまま収録している」と記している。

日中はビル清掃、倉庫での景品袋詰め、街頭でのポケットティッシュ配り、各家庭へのチラシ配り等を行ない、
ドヤ街の簡易旅館やネットカフェで寝泊りする生活を著者は行なった。

読んで思ったことがある。
確かに仕事内容はつらい、生活も大変である。
給料は安いから1段階上の生活なんて望むべくもない。先の展望が見えず、仕事のスキルアップも望めないのは確かである。

しかし著者は1か月限定、長時間労働なしでこの生活を送っている。
それで「時折言葉づかいが荒くなったり皮肉な説教が混じる」という文章に違和感を感じた。
これは意図的に日雇いの仕事がつらい、と本の性質上強調したいか、著者は体を使う労働がよほどいやなのではないか。

1か月経てば元の生活に戻れるのである。もう少し客観的に取材できなかったのか。

ある日、平日の開店前のパチンコ屋に並んでいる人たちを見て、著者は「仕事もせずに・・・。」とつぶやく。
交代勤務で夜働いている人や世間の休日に働いて、昼間が仕事あがりであったり平日が休みの人がいるという考えが無いらしい。
日雇い生活を送って「心身共に追い込まれている」から僻みがでたのか、それとは関係なくこれは著者の本音か、もともと持っている偏見か。

交代勤務をしている工場労働者の自分にとってこの一文は非常に・・・・・。




気分を落ち着かせて記事再開。

他人の体験は文章だけでは所詮伝わらない、実際経験した者でないとわからないと思う。
もしかしたらこの著者の本当の思いは読者である自分には伝わっていないだけなのかもしれない。

読後感が良くない記事になってしまった。
次回は全く違う内容の記事を書きたい。

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